幸運と不運(2)
幸運と不運(2)(*神社やお寺に由来する伝承や日本に残る昔物語。今なら無料で全て読むことができます。メニューの『神社・お寺』から)
ある日、隣村まで足をのばした馬之助は、長者の家に嫁いだおたまと再会した。
新しい着物に身を包んだおたまは別人だった。
光り輝く観音様のように神々しく見え、馬之助はおもわず手を合わせた。
ふたりは昔話に花が咲き、あっというまに次の日の朝となりました。
「ここにおはぎをつくりました。馬之助さん、持って行ってください」
裕福な暮らしをしていたおたまは、親指ほどの金の塊を挟みいれたおはぎを五つ、巾着袋に入れ、持たせた。
馬之助は帰り道、渓谷を流れる川岸で一息つき、おはぎの入った袋を開いた。
中身を知らない馬之助が噛りつくと、金が鋭く歯に当たり、石だと勘違いした馬之助は、川底におもいきり投げ入れた。
次のおはぎも、固く、歯が欠けそうになったためだ。
次々におはぎを渓谷沿いの川に投げ捨てた馬之助だったが、さすがにおかしいとおもい、最後のおはぎの中身を開き、内側を確認した。
すると、光り輝く金の大きな塊が顔をのぞかせた。
「金だ。おたま、ありがてえ」
馬之助はしばらく川面を眺め、おたまの優しさに涙がこぼれた。
つづく
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ある日、隣村まで足をのばした馬之助は、長者の家に嫁いだおたまと再会した。
新しい着物に身を包んだおたまは別人だった。
光り輝く観音様のように神々しく見え、馬之助はおもわず手を合わせた。
ふたりは昔話に花が咲き、あっというまに次の日の朝となりました。
「ここにおはぎをつくりました。馬之助さん、持って行ってください」
裕福な暮らしをしていたおたまは、親指ほどの金の塊を挟みいれたおはぎを五つ、巾着袋に入れ、持たせた。
馬之助は帰り道、渓谷を流れる川岸で一息つき、おはぎの入った袋を開いた。