子授け銀杏(いちょう)(3)
子授け銀杏(いちょう)(3)
2023/10/03(火) 08:30
(*神社やお寺に由来する伝承や日本に残る昔物語。今なら無料で全て読むことができます。メニューの『神社・お寺』から)
年が明け、秋色に山が変わっていた。あのときの二人の思いが天に通じたのか、すえはめでたく男の子を産んだ。
しかも双子だった。
彦兵衛とすえの喜びようは天にも昇るほどだった。
近所の村人たちも大喜びで、毎日、双子の赤ん坊を見るため家は人であふれた。村の子供たちも見に集まってきた。誰もが声をあげるほど、輝きを放ったかわいらしい姿だった。
「銀杏様のおかげにちがいない。なあ、すえ」
「はい。私たちの願いを聞きとどけてくださったのですね」
古木に深く感謝した夫婦は、赤ん坊をそれぞれに抱え、木のもとへお礼に向かった。
鮮烈な黄色に染まった巨木がふたりを迎えた。
「ありがとうございます。授かった二人を大切に育ててまいります」
夫婦は根元の二本の銀杏にもお供え物をした。これからも授かった子供を守ってくださるように、と地蔵様も二体祀った。
眩しい赤ん坊の顔がふたつ笑った。
日が経つと、次第に、ひとの口にその話がのぼり、神の木と尊敬を集め、噂となった。
いまでは立派なお堂もでき、その中で、子授かりの地蔵様が祀られている。
成長した二本の銀杏と親銀杏の古木は「子授け銀杏」と周囲で呼ばれ、遠い村々からも、子供がほしいという夫婦が、日々、参詣にくるようになっている。
了
(*メニュー欄『神社・お寺』から物語のつづきや他の昔物語を今なら全て無料で読むことができます。)
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年が明け、秋色に山が変わっていた。あのときの二人の思いが天に通じたのか、すえはめでたく男の子を産んだ。
しかも双子だった。
彦兵衛とすえの喜びようは天にも昇るほどだった。
近所の村人たちも大喜びで、毎日、双子の赤ん坊を見るため家は人であふれた。村の子供たちも見に集まってきた。誰もが声をあげるほど、輝きを放ったかわいらしい姿だった。
「銀杏様のおかげにちがいない。なあ、すえ」
「はい。私たちの願いを聞きとどけてくださったのですね」
古木に深く感謝した夫婦は、赤ん坊をそれぞれに抱え、木のもとへお礼に向かった。
鮮烈な黄色に染まった巨木がふたりを迎えた。
「ありがとうございます。授かった二人を大切に育ててまいります」
夫婦は根元の二本の銀杏にもお供え物をした。これからも授かった子供を守ってくださるように、と地蔵様も二体祀った。
眩しい赤ん坊の顔がふたつ笑った。
日が経つと、次第に、ひとの口にその話がのぼり、神の木と尊敬を集め、噂となった。
いまでは立派なお堂もでき、その中で、子授かりの地蔵様が祀られている。
成長した二本の銀杏と親銀杏の古木は「子授け銀杏」と周囲で呼ばれ、遠い村々からも、子供がほしいという夫婦が、日々、参詣にくるようになっている。
了
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しかも双子だった。
彦兵衛とすえの喜びようは天にも昇るほどだった。
近所の村人たちも大喜びで、毎日、双子の赤ん坊を見るため家は人であふれた。村の子供たちも見に集まってきた。誰もが声をあげるほど、輝きを放ったかわいらしい姿だった。
年が明け、秋色に山が変わっていた。あのときの二人の思いが天に通じたのか、すえはめでたく男の子を産んだ。
しかも双子だった。
彦兵衛とすえの喜びようは天にも昇るほどだった。
近所の村人たちも大喜びで、毎日、双子の赤ん坊を見るため家は人であふれた。村の子供たちも見に集まってきた。誰もが声をあげるほど、輝きを放ったかわいらしい姿だった。
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