弥吾兵衛(やごべえ)と竜神(2)
弥吾兵衛(やごべえ)と竜神(2)
2024/02/06(火) 08:30
(*神社やお寺に由来する伝承や日本に残る昔物語。今なら無料で全て読むことができます。メニューの『神社・お寺』から)
まもなく、村では、竜神様を呼びだすため、盛大な祭りがとり行われた。
三日三晩、村人は笛や太鼓で大騒ぎをした。
すると、三日目の晩になり、あたりが急に黒雲に覆われだした。
どろどろと重苦しい音が空で鳴り響き、みるみる風が荒れ狂い、大粒の雨が降り出した。
ひょうたん湖には大量の雨水が降り注いだ。湖があふれ、屋敷が流されるかもしれない、と村人の多くが怯え、自分の家に戻った。
弥吾兵衛と石倉だけは雨にずぶ濡れとなり、湖のそばで立ち尽くしていた。
「おい、わしらも屋根のある場所に移動するか」
石倉がそう弥吾兵衛に声高に告げると、もう少しでごぜえやす、と弥吾兵衛が水面を眺め、つぶやいた。
不思議なことに、湖の水はあふれるどころか、みるみる減っている。
水が減少したため、ひょうたん湖で泳いでいた何百という魚たちが、陸に暴れ出るのがみえた。白いエイ二匹の姿も浮き出てきた。中央でじっとしている。そのときだった、巨大な雷が湖の中央に閃光を放ち、落ちた。
「ひえっ」と臆病な旗本は両耳をふさいだ。
「あ、ありがてえ」
弥吾兵衛が手を合わせ、湖に向かい、頭を下げた。
すると、目の前の湖から、激しい渦をまきあげ、天高く舞い上がる白い龍の姿が目に飛び込んだ。
白いエイ二匹もその背中に乗るようにして、天高く舞い上がっていく。
「空に吸引されていくぞ」
石倉が耳をふさぎながら騒いだ。
そして、その白竜が、雲にあっというまに吸い込まれ、西の方角へ消えていくのが、弥吾兵衛にもわかった。
つづく
(*メニュー欄『神社・お寺』から物語のつづきや他の昔物語を今なら全て無料で読むことができます。)
物語についてのご意見はこちらから
まもなく、村では、竜神様を呼びだすため、盛大な祭りがとり行われた。
三日三晩、村人は笛や太鼓で大騒ぎをした。
すると、三日目の晩になり、あたりが急に黒雲に覆われだした。
どろどろと重苦しい音が空で鳴り響き、みるみる風が荒れ狂い、大粒の雨が降り出した。
ひょうたん湖には大量の雨水が降り注いだ。湖があふれ、屋敷が流されるかもしれない、と村人の多くが怯え、自分の家に戻った。
弥吾兵衛と石倉だけは雨にずぶ濡れとなり、湖のそばで立ち尽くしていた。
「おい、わしらも屋根のある場所に移動するか」
石倉がそう弥吾兵衛に声高に告げると、もう少しでごぜえやす、と弥吾兵衛が水面を眺め、つぶやいた。
不思議なことに、湖の水はあふれるどころか、みるみる減っている。
水が減少したため、ひょうたん湖で泳いでいた何百という魚たちが、陸に暴れ出るのがみえた。白いエイ二匹の姿も浮き出てきた。中央でじっとしている。そのときだった、巨大な雷が湖の中央に閃光を放ち、落ちた。
「ひえっ」と臆病な旗本は両耳をふさいだ。
「あ、ありがてえ」
弥吾兵衛が手を合わせ、湖に向かい、頭を下げた。
すると、目の前の湖から、激しい渦をまきあげ、天高く舞い上がる白い龍の姿が目に飛び込んだ。
白いエイ二匹もその背中に乗るようにして、天高く舞い上がっていく。
「空に吸引されていくぞ」
石倉が耳をふさぎながら騒いだ。
そして、その白竜が、雲にあっというまに吸い込まれ、西の方角へ消えていくのが、弥吾兵衛にもわかった。
つづく
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まもなく、村では、竜神様を呼びだすため、盛大な祭りがとり行われた。
三日三晩、村人は笛や太鼓で大騒ぎをした。
すると、三日目の晩になり、あたりが急に黒雲に覆われだした。
どろどろと重苦しい音が空で鳴り響き、みるみる風が荒れ狂い、大粒の雨が降り出した。
ひょうたん湖には大量の雨水が降り注いだ。湖があふれ、屋敷が流されるかもしれない、と村人の多くが怯え、自分の家に戻った。
弥吾兵衛と石倉だけは雨にずぶ濡れとなり、湖のそばで立ち尽くしていた。
「おい、わしらも屋根のある場所に移動するか」
石倉がそう弥吾兵衛に声高に告げると、もう少しでごぜえやす、と弥吾兵衛が水面を眺め、つぶやいた。
不思議なことに、湖の水はあふれるどころか、みるみる減っている。
まもなく、村では、竜神様を呼びだすため、盛大な祭りがとり行われた。
三日三晩、村人は笛や太鼓で大騒ぎをした。
すると、三日目の晩になり、あたりが急に黒雲に覆われだした。
どろどろと重苦しい音が空で鳴り響き、みるみる風が荒れ狂い、大粒の雨が降り出した。
ひょうたん湖には大量の雨水が降り注いだ。湖があふれ、屋敷が流されるかもしれない、と村人の多くが怯え、自分の家に戻った。
弥吾兵衛と石倉だけは雨にずぶ濡れとなり、湖のそばで立ち尽くしていた。
「おい、わしらも屋根のある場所に移動するか」
石倉がそう弥吾兵衛に声高に告げると、もう少しでごぜえやす、と弥吾兵衛が水面を眺め、つぶやいた。
不思議なことに、湖の水はあふれるどころか、みるみる減っている。
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