名字ランキング 第161位　川村

名字博士と愛ちゃんが　川村姓について話しています。

「川村さんは川辺の集落でいいの？」

「そう思っていい。川は人の生活を豊かにしてくれるものだからね。川があれば稲作ができるし、昔の川は飲料水にできるほど澄んでいた。洗濯もできれば、身体も洗える。人と物が往来し、最新の文化が伝えられ、珍しい物が運ばれてきた。そんな好条件の土地に住んでいたのが川村さんさ」

「いまだと地価が高そうね」

「一番人気の土地だよ。ただし川の氾濫(はんらん)にだけは注意しないとダメだけどね」

「洪水で村が水びたしになったっていう話。よく時代小説とかにもでてくるものね」

「川はおだやかなときは人間に無限の恵みをくれるが、怒ったときには荒れ狂って手がつけられなかった。それを防ぐために川村さんは村人とともに堤(つつみ)や土塁を築き、日夜川の監視をこたらなかったんだ」

「川村さんは村の防災対策チームのリーダーだったというわけね」

「そうだ。そして川村という地名は全国各地にあるが、一番有名なのは相模国足柄郡河村郷、現在の神奈川県足柄北郡山北町内だ。この地からは第三八代天智天皇の重臣藤原鎌足（六一四―六九)の流れをくむ藤原秀郷将軍の子孫という川村・河村さんが出た。河村四郎秀清は一一八九年、わずか数え一三歳で奥州征伐に参加して大活躍をし、現在の岩手県に領地を与えられた。ここに住み着いた秀清の末裔は川村と名乗った。」