全国名字めぐりの旅 第17回 宮城県（2）

宮城県で菅原姓は第八位の大姓。

菅原といえば学問の神様といわれた道真が有名である。
道真は平安時代を代表する学者であり、政治家だったが、宇多天皇からあまりに重用されたため藤原一門の妬みをかい、右大臣のとき陰謀によって九州の大宰府へ左遷されてしまった。
道真はあわただしく都を追われたため、大切に育てていた庭の梅の木を残して旅立ち、「東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花　あるじなしとて春な忘れそ」という歌を詠んだ。
その思いが通じたのか、梅の木も道真を慕って九州へ飛んで行った。
これが福岡県の大宰府天満宮に残る「飛梅」伝説である。

　道長の死後、その呪いといわれる天変地異が相次ぎ、おびえた藤原一門は道真の霊を鎮めるために天満天神として祀ることにした。
これが全国にある天満宮の始まりである。

　天満宮では道真ゆかりの梅花を神紋として使用し、道真の子孫も梅を家紋とした。
現在、菅原姓を名乗り、梅鉢(うめばち)や梅花を家紋として使っている家は道真の子孫といわれる。
道真の子孫は政権争いに明け暮れる京の都を捨てて、北に新天地を求め、現在の宮城県にたどり着いた。
福島県に住み着いた系統は菅原氏が「菅家(かんけ)」と呼ばれていたことにちなんで菅野(かんの)姓を名乗っている。
ともに道真の子孫である。