名字ランキング 第48位　三浦

名字博士と愛ちゃんが　三浦姓について話しています。

「三浦さんは海辺にあった三の浦のことかしら？」

「三浦さんは御浦(みうら)だよ。海神がいる重要な浦のこと。外海のことを和語ではオモテといい、入り江のことはウラといったんだ」

「なぜ御浦と名乗らなかったの？」

「地名や人名に神聖な御を使うのは恐れ多いといって避(さ)けたんだ。日本人のおくゆかしさだよ。神のすむ山のことは長野県の御嶽山(おんたけさん)のように御を使うこともあったが、一般的には三に置き換えた」

「三浦さんは謙虚な人なのね」

「その通り。そして三浦さんは神奈川県の三浦半島から発祥した。第五〇代桓武天皇(七三七―八〇六)の流れをくむ桓武平氏の名族だ。為通のとき三浦に住み着いて三浦平太夫と名乗ったことに始まる。その後、三浦義澄のとき源頼朝の挙兵に協力して鎌倉幕府の成立に貢献し、重鎮の一人となった」

「三浦さんが歴史の表舞台に登場してきたわけね」

「ところが、あまりにも三浦一族が武勇にすぐれていたために北条氏から警戒されてしまい、泰村のときに滅ぼされてしました。このとき一族は各地に散った。どうにか三浦の本領を取り戻したが、今度は北条早雲によってまた滅ぼされてしまった。二度も北条氏に滅ぼされるなんて、よほど相性が悪いのだな。」