明治生まれの「みょう字」は明字

明治生まれの「みょう字」は明字
2016/11/05(土) 08:30
明治に名字を決めるとき、ひと騒動もちあがったのは間違いない。

 百姓無苗説の柳田先生は『名字の話』で戸籍係の役人が適当に魚や野菜の名前をつけた話を紹介している。この村は実在する。現在の愛媛県宇和島市にあった網代(あじろ)部落である。網代部落には本網代(ほんあじろ)、本谷(ほんたに)、荒樫(あらかし)の三地区があり、本網代では魚の名前(多古、平目、岩志(いわし)、浜地(はまち)など)、本谷では網と漁具の名前(目網、松網など)、荒樫では野菜と穀物の名前(大根など)を名字にした。これらの名字を村人に付けたのは網代の庄屋浦和清次郎という。また高知県の沖ノ島という小島の母島(もじま)部落では赤穂四十七士から名字をとったといわれている。

 ほかにもある。明治維新のとき11歳だった石井研堂(明治のジャーナリスト)も『明治事物起源』に明治創姓の話を載せている。いわく、石井の父親は戸籍を作製する担当者の戸長だったが、名字がない町の人の求めに応じて煎茶の銘柄や徳川四天王の名字をつけてやったという。福島県の出来事である。

『大阪毎日新聞』には、大阪府高槻(たかつき)市富田で『太閤記』をめくって羽柴・木下、加藤、片桐、柴田、佐久間、織田、松下、蜂須賀などを片っ端から村人につけた話が載っている。

 おもに町場では、先祖伝来の名字を忘れてしまった町人が多かったから、このような適当な創姓が行われたのも事実である。しかし忘れてならないのは、それは我々が思っているほど多くはないということだ。このての話は面白いから喧伝されたが、噂のわりに実例は少ないんだ。

 では、どれくらい創姓されたんだろう。

 これも推測だが、わたしは1万種類ほどだと思っている。名字を決めるとき、それまでこの世に存在していなかった珍奇な名字を作り出したケースはそれほど多くはなかったろう。作り手は珍しいと思っても、すでに存在する場合が多かっただろうし、全体としてはあえて珍しいものを選ばず、紹介した例のように赤穂四十七士や徳川四天王、太閤記の武将などから拝借した場合が一般的だったろう。そのほうが名字らしいからだ。

 とはいえ明治5年の壬申戸籍作製のとき、新しく生まれた名字があったことは事実である。この明治生まれの「みょうじ」を丹羽基二先生は、明字(みょうじ)と命名された。

明治に名字を決めるとき、ひと騒動もちあがったのは間違いない。

 百姓無苗説の柳田先生は『名字の話』で戸籍係の役人が適当に魚や野菜の名前をつけた話を紹介している。この村は実在する。現在の愛媛県宇和島市にあった網代(あじろ)部落である。網代部落には本網代(ほんあじろ)、本谷(ほんたに)、荒樫(あらかし)の三地区があり、本網代では魚の名前(多古、平目、岩志(いわし)、浜地(はまち)など)、本谷では網と漁具の名前(目網、松網など)、荒樫では野菜と穀物の名前(大根など)を名字にした。これらの名字を村人に付けたのは網代の庄屋浦和清次郎という。また高知県の沖ノ島という小島の母島(もじま)部落では赤穂四十七士から名字をとったといわれている。

 ほかにもある。明治維新のとき11歳だった石井研堂(明治のジャーナリスト)も『明治事物起源』に明治創姓の話を載せている。いわく、石井の父親は戸籍を作製する担当者の戸長だったが、名字がない町の人の求めに応じて煎茶の銘柄や徳川四天王の名字をつけてやったという。福島県の出来事である。

『大阪毎日新聞』には、大阪府高槻(たかつき)市富田で『太閤記』をめくって羽柴・木下、加藤、片桐、柴田、佐久間、織田、松下、蜂須賀などを片っ端から村人につけた話が載っている。

 おもに町場では、先祖伝来の名字を忘れてしまった町人が多かったから、このような適当な創姓が行われたのも事実である。しかし忘れてならないのは、それは我々が思っているほど多くはないということだ。このての話は面白いから喧伝されたが、噂のわりに実例は少ないんだ。

 では、どれくらい創姓されたんだろう。

 これも推測だが、わたしは1万種類ほどだと思っている。名字を決めるとき、それまでこの世に存在していなかった珍奇な名字を作り出したケースはそれほど多くはなかったろう。作り手は珍しいと思っても、すでに存在する場合が多かっただろうし、全体としてはあえて珍しいものを選ばず、紹介した例のように赤穂四十七士や徳川四天王、太閤記の武将などから拝借した場合が一般的だったろう。そのほうが名字らしいからだ。

 とはいえ明治5年の壬申戸籍作製のとき、新しく生まれた名字があったことは事実である。この明治生まれの「みょうじ」を丹羽基二先生は、明字(みょうじ)と命名された。

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