全国名字めぐりの旅 第102回 福井県（1）

昔、越前国といわれた福井県の人は堅実である。
預貯金の多さや生命保険の加入率は全国一高く、逆に離婚率は全国最低である。
辛抱強い女性が多いのだ。
男性は仕事をさせると粘り強く、行動力がある。
大坂や京都・東京に出て会社を興す人も多く、全国で一番多く社長を出している県としても有名である。

福井県には清水さんが多い。
福井県の清水さんのルーツをさかのぼると、長野県から移住したという家が目立ち、源平合戦のころ鎌倉の源頼朝よりも先に京へ入り、後白河法皇から征夷大将軍に任じられた木曽義仲の子孫という。
義仲は荒廃した京の治安維持を期待されたが、大軍で京に駐屯したためたちまち食糧不足におちいり、餓えた家来は奪略をはじめた。
そのため京の人心は離れ、いとこの源頼朝が派遣した源義経の軍勢に大敗を喫し、寿永３年（１１８４）に現在の滋賀県大津市で討死した。
義仲の嫡男は清水義高という。
義高の末裔は後に木曽姓に戻ったが、一族は清水姓を受け継いで近隣諸国に移り住んだ。

第５６代清和天皇(８５０－８０)の流れをくむ木曽義仲の子孫である清水さんは「桔梗」や「五三桐」をよく使う。