名字ランキング 第28位　中島

名字博士と愛ちゃんが　中島姓について話しています。

「中島さんで思い出すのは中島みゆきさん」

「北海道帯広市出身のみゆきさんの祖父は武市(ぶいち)さんというんだ。帯広市で古着屋を営みながら市会議員や商工会議所の会頭をつとめた地元の名士だ。この武市さんは銅像を建てるのが大好きで、帯広開拓の先駆者依田勉三や自分の銅像をいくつか建てた」

「武市さんはどこから北海道へ来たの？」

「現在の岐阜県本巣市の出身だ。武市の父親は大垣藩の武士だったが、幼くして亡くなったため、母の再婚先で商売をやっていた中島家の養子になった。岐阜商業学校を卒業すると大坂で呉服屋に勤めたが、間もなく名古屋市に移って株屋で働き、二一歳のとき大志をいだいて北海道へ渡ってきたんだ。帯広に定住して古着屋の中島商店を開いたのは大正九年（一九二〇）のことだ。後に店名は〈みつわ屋〉と改めたが、商売は順調に拡大していった。そんな武市には有名な叔父がいた」

「誰？」

「母の弟にあたる郷純造だ。純造は明治政府の大蔵次官をつとめて男爵を授けられている。その子誠之助も財界の大物で、日本商工会議所会頭になった。そのうえ一族は三菱財閥岩崎家ともつながっている」

「みゆきさんの家系ってすごいのね」

「語源も説明しておこう。ナカは中心や真ん中のことで、シマは水に囲まれた島ではなく区各地のことだ」