名字ランキング 第17位　木村

名字博士と愛ちゃんが　木村姓について話しています。

「木村重成っていう若武者がいたわよね」

「大坂夏の陣で戦死した豊臣秀頼の家臣だね。首が家康のもとに届けられたとき、髪からお香のかおりがした。死後の身だしなみにまで気をつかう重成の覚悟に家康は感嘆したという。また、この夫にしてこの妻ありで、妻は夫の死後に男子を生むと、２０歳の若さで自害した。重成は木村さんの性格をよくあらわしている。一途(いちず)で義理堅く、それでいて死後のことまで考えられる心の余裕がある人。それが木村さんだ」

「重成のルーツは？」

「滋賀県蒲生郡蒲生町木村から発祥した家だ。第五九代宇多天皇（八六七―九三一）の流れをくむ宇多源氏佐々木氏族の子孫という。佐々木定道の子が木村対馬(つしま)権守(ごんのかみ)と名乗ったことに始まる。家紋は佐々木一党が一族団結のシンボルとして愛用した隅立て四つ目だ。木村さんでこの家紋を使っている家は重成となんらかゆかりがあると考えていいだろう」

「そもそも木村の意味は？」

「木は樹木で、ムラは〈群(むら)がる〉こと。もともとは樹木が茂っている山のことをいったが、そこに人が住み着いて集落ができると、それも木村というようになった。そういう木村地名から木村さんが出たんだ」