全国名字めぐりの旅 第40回 山形県（1）

山形県人の性格は地域によって二つのタイプに分かれる。
日本海沿いの酒田地方の人は派手好きで社交的といわれているが、海から離れた内陸部の人はコツコツと努力を重ねる我慢強い人が多い。
恋愛の傾向は奥手で、結婚までじっくりと相手を見極めるので交際期間はおのずと長くなる。
しかし、そのお蔭か離婚率は低い。
結婚後、男性は亭主関白になる可能性が高いが、浮気の心配はまずない。

　そんな山形県に多い名字が高橋さんである。
県内名字ランクの第２位で、海岸沿いから内陸部まで、まんべんなく分布している。

　この高橋という名字の始まりは古い。
佐藤さんや鈴木さんは平安時代に生まれた名字だが、高橋さんはもっと古い時代から記録に見える。
では、高橋という言葉の語源は何かというと、これは私の恩師である丹羽基二博士の説によれば、天と地をつなぐ柱のこと、すなわち天上の神々と地上の人間の橋渡しをする人のことだという。
そういう人を神主という。
たしかに古代から高橋さんには神主が多い。
ほかに川に架ける橋の技術者や高台の端に住んでいた人も高橋姓を名乗ったが、古代からこの名字の中心をなす人々は神主である。

高橋さんは連綿と神の声を人々に伝えてきた。
だとすればスピリチュアル的な能力に長けている人が多いはずだ。
そういう能力を持った高橋さんが、あなたのそばにもいるかも知れない。
家紋は「笠」と「大文字」など。