名字ランキング 第15位　松本

名字博士と愛ちゃんが　松本姓について話しています。

「松はおめでたいわよね。なんたって松竹梅の第一だもの」

「そうだね。正月には松飾(まつかざり)や門松(かどまつ)を飾るし、能や狂言の舞台にも必ず松が描かれている」

「松はどうしてそんなにおめでたいの」

「そりゃ神様が宿る木だからさ。人は稲が豊作になりますようにとか、雨が降りますようにとか、工事が無事に完成しますようにとか、ことあるごとに神様に願い事をした。だが、天にいる神様に向かってお願いをしても遠すぎて聞いて下さるかどうか判らない。そこで神様に地上に降りてきてくださいと頼んだんだ。すると神様は常緑の針葉樹ばかりを選んで降りてきた。その木が松だったのさ」

「神様はなんで松の木を選んだのかしら？」

「それは松が常に緑なので長寿や慶賀のシンボルとされたからだろう。松は神をマツ（待つ）木であるとともに、いつまでも緑（若さ・命）をタモツ（保(たも)つ・モツがマツに変化）した木だからね。天女の羽衣伝説が残っているところにも必ずといっていいほど松の林がある。天女も松を目印にして舞い降りて来て、枝に羽衣をかけたのさ。これほど神様に愛された木はないよ」

「じゃ松の木が生えている場所は神様が降り立つ神聖な空間なのね」

「その通り。そこから松本という地名が生まれ、松本いう名字が生まれた。松本さんは神様の降臨を出迎える接待役だ。」