名字ランキング 第26位　石川

名字博士と愛ちゃんが　石川姓について話しています。

「石川さんと石川県は関係あるの？」

「石川県は県内最大の手取川を古くは石川といったことに由来している。手取川は上流から小石が数多く流されてきた、それで石の多い川、石川というようになったんだ。でもね、面白い異説もある」

「どんな説？」

「それは古代の豪族蘇(そ)我(が)氏にゆかりがあるという説だ。蘇我氏は天皇家をしのぐほどの権勢を誇ったが、六四五年に蘇我入鹿(いるか)が暗殺された。犯人は政治を変えようとした中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)（後の天智天皇）と中臣鎌足(なかとみのかまたり)だが、実はこれに入鹿のいとこである蘇(そ)我倉(がくら)山田(やまだ)石川(いしかわ)麻呂(まろ)も加わっていたんだ。入鹿の死で蘇我本家は滅んだが、石川麻呂は右大臣となって蘇我氏の血脈をつないだ。この石川麻呂の弟の子孫が石川さんを名乗り、加賀国の国司（知事）になったことを記念して石川郡が生まれ、それが県名になったというんだ」

「そんなお話があるんだ」

「そう。石川さんは本当に面白い。話題に事欠かないんだ。たとえば納豆を発見したのも石川さんのご先祖なんだよ。この石川さんは河内国石川郡（大阪府南河内郡周辺）の発祥で、八幡太郎義家の子孫だ。この義家が俵に入れていた煮納豆が発酵して現在の納豆になっていることに気づき、兵糧として食べ始めたのが、納豆の始まりといわれている。納豆とともに石川さんも粘り強く広まっていったんだよ。この石川さんは笹(ささ)竜胆(りんどう)紋を愛用するが、石川啄木も丸に笹竜胆紋だから末裔だね」