名字ランキング 第167位　菅野

名字博士と愛ちゃんが　菅野姓について話しています。

「菅野さんは菅(すげ)が生えていた野原かな？」

「スゲは湿地帯によく生えている植物だ。古くはその葉をお祓(はら)いのときに使ったので清々(すがすが)しい草といわれ、そのスガがスゲに変化したといわれている。たしかに菅の茂っている土地を菅野ということがあるけど、東北の菅野さんにはご先祖についての言い伝えが残っているんだ」

「どんな？」

「それはね、菅野さんが好んで使う梅鉢(うめばち)の家紋に関係している」

「梅鉢を使う家は菅原道真の子孫って聞いた覚えがあるけど…」

「その通り。道真が梅ノ木をこよなく愛(め)でたことは有名な話だ。飛松の伝説もある。道真が九州の大宰府へ左遷(させん)されるとき、常日頃、庭で大切にしていた梅と松と桜の木に別れを告げた。主人がいなくなると、桜は生きる気力を失ってみるみるうちに枯(か)れてしまった。梅と松は宙に浮いて大宰府に向かって飛んだ。しかし松は途中で力尽きて落下し、梅だけが大宰府にたどり着いたんだ。その梅はいまでも太宰府天満宮で花を咲かせているよ」

「だから天満宮の神紋は梅の花で、道真の子孫の家紋には梅鉢が多いのね」

「そう。そして東北に移り住んだ道真の子孫は、道真が菅丞相(かんのじょうそう)と呼ばれていたことにちなんで、菅野さんと名乗るようになったんだ。」