名字ランキング 第64位　柴田

名字博士と愛ちゃんが　柴田姓について話しています。

「柴田さんといえば、柴田勝家かしら」

「そうだね。勝家の家は愛知県名古屋市南区柴田町の出身で、第五六代清和天皇（八五〇―八一）の流れをくむ清和源氏小笠原氏族とも斯波(しば)氏族ともいわれている。ルーツについては異説も多いが、いずれにしても若いころから織田家に仕え、信長の時代には筆頭家老となった」

「猛将というイメージがあるわ」

「勝家には鬼柴田、かかれ柴田、瓶(かめ)割り柴田という異名があった。かかれ柴田とは勝家の突撃がすさまじかったためだ。瓶割り柴田は城に籠城(ろうじょう)していたとき、敵に水を絶たれて苦しんだ。そのとき勝家はあえて最後の水瓶を割って士気を鼓舞した。これにより奮い立った家臣たちは持ち前の突破力で敵を蹴散らして勝利したエピソードに基づいている。宣教師のルイス・フロイスも勝家は日本一勇敢な武将と称(たた)えているから、武勇は当時から知れ渡っていたんだろう」

「柴田ってどういう語源？」

「柴はたきぎにして燃やす低い木のことだが、この言葉は繁(しげ)葉(は)の変化だといわれている。繁葉とは生い茂って繁栄することだ。そういう縁起の良い言葉だから、柴が生えている土地はパワースポットとされた。そして、そこに住む柴田さんは燃料には不自由せず、パワースポットのプラスパワーを浴びて一族を増やしていったわけだ。」