全国名字めぐりの旅 第144回 群馬県(10)
全国名字めぐりの旅 第144回 群馬県(10)群馬県の富沢さんは、太田市富沢町から発祥した。
ルーツは第56代清和天皇(850-881)の流れをくむ清和源氏の子孫で、新田氏の分家である岩松氏の一族という説が有力である。
その子孫である富沢豊前(ぶぜんの)守(かみ)は天正3年(1575)、真田信綱(幸村の伯父)に従って長篠合戦に参加した。
天下無双の強力で知られていた豊前守の前を馬で抜けながら「かかれ」と大声で叫んでいる騎馬武者がいる。
見れば織田家中随一といわれた怪力の持ち主竹ノ内である。
これは良い敵を得たと豊前守は長太刀を握ると、「竹ノ内殿、いざ組まん」と声をかけた。
竹ノ内も「おおう。
望むところだ」と馬から飛び降りて組み合った。
どちらも豪傑。
勝負はつかない。
見かねた豊前守の親類、富沢主(もん)水(ど)が加勢しようとすると、豊前守がはたと睨みつけて一歩も近づけない。
敵も味方もかたずを呑んで見守るなか、遂に豊前守は自慢の強力で竹ノ内を押さえつけ、その首を斬り落とした。
その瞬間、味方からはどっと歓声が上がった。
豊前守のルーツについては藤原姓という説もある。
家紋は「丸に五つ柏」や「蔓(つる)柏」をよく使う。
群馬県の富沢さんは、太田市富沢町から発祥した。
ルーツは第56代清和天皇(850-881)の流れをくむ清和源氏の子孫で、新田氏の分家である岩松氏の一族という説が有力である。