名字ランキング 第55位　小野

名字博士と愛ちゃんが　小野姓について話しています。

「小野さんは小さな野原のこと？」

「そう思うだろうが、実際に小野という地名の場所に行くと、意外と広々としたところが多い」

「じゃ、なんで小をつけたのかしら？」

「小は御の変化で、御野かも知れない。神様に供える食べ物を収穫するところだ。あるいは接頭語と考えたほうがいいだろう」

「接頭語？」

「ほかの言葉の上につけて語調をととのえたりする言葉だ。お話の〈お〉がそうだね。地名や名字の〈お〉や〈こ〉は、ほとんど意味の無いこの接頭語であることが多いんだ」

「小とついているから小さいと思ったら、そうとも限らないのね」

「そうだ。ところで野と原の違いはわかるかい？」

「広いのはどっちかしら？」

「広さの違いじゃなく耕された野原を野、未開拓の原野を原ということが多いんだ。また原は広々とした平たい草原をいうが、野は低い樹木が茂った山すそなどのことを言うのだよ」

「日ごろは気にしていないけど、似ている言葉の違いって面白いわね。」

「美人の小野小町や遣(けん)隋使(ずいし)の小野妹子(いもこ)は天皇の子孫。箱館にいた坂本龍馬の甥小野淳輔も一族かもね」