全国名字めぐりの旅 第180回 山梨県（4）

山梨県には美人が多い。それはミスコンテストに山梨県の女性が高確率で入賞することからも判る。恋愛に対してはロマンチストで、夢見る乙女タイプだが、いざ結婚するとしっかりものの主婦になる。経済感覚もあって、こつこつと節約して貯金に励む。
そんな山梨県には長田さんが多い。
長田という苗字をあなたは何と読むだろう。「おさだ」と読む人は東日本の人。「ながた」と読む人は西日本の人だ。山梨県では圧倒的に「おさだ」と読む。
「おさだ」さんは、第３０代敏達天皇（５３８－８５）の御名代(みなしろ)である他(おさた)田部(べ)に由来する場合が多い。御名代というのは天皇や皇族の威徳を後世に伝えるため、ゆかりの名前を付けられた人々のことである。敏達天皇の御名代には、天皇が皇居を構えていた他(おさ)田宮(たのみや)（奈良県桜井市戒重）にちなんで他田部という名前が付けられた。この他田部の居住地が後に長田と書き換えられ、その地に住み着いた家が長田姓を名乗ったのである。一方、西日本の「ながた」さんは長く伸びた土地を意味する長田地名に由来している。
山梨県の長田さんは下り藤や五三桐紋をよく使う。