全国名字めぐりの旅 第118回 茨城県（6）

岡野さんで思い浮かべる有名人は誰だろう。
私は「野人」のニックネームで活躍したサッカー選手岡野雅行だが、もっと前の世代だと日本サッカー協会会長の岡野俊一郎だろうか。
岡野さんはサッカーと縁が深い。
岡野雅行は神奈川県、岡野俊一郎は東京都出身だが、全国で一番岡野さんが多いのは茨城県である。

この岡野さん、ルーツは必ずしも岡野ではなく、小鹿野(おがの)から岡野に改姓した家もあった。
これがルーツ調べの難しさで、ご先祖がずっと同じ名字を使っていたとは限らないのだ。
昔の人は名字の文字には無頓着で、読み方が同じか似通っていれば、平気で文字を変えた。
そのことを知らないと調査はすぐに行き詰る。
岡野を調べるときには小鹿野や岡埜も調べなければならないのだ。

　なお茨城県の岡野さんは第３８代天智天皇の重臣藤原鎌足(６１４－６９)の子孫だが、埼玉県には清和源氏の末裔がいるし、伊豆半島には桓武平氏の後胤がいる。
ルーツは多彩だが、家紋でおおよそ判断がつく。
藤原姓は「木瓜(もっこう)」、源氏は「抱き茗荷(みょうが)」、平家は「三つ鱗」をよく使うからだ。