全国名字めぐりの旅 第108回 福井県（7）

梅田という名字は地名から発祥した。
梅田というと、田んぼのそばに梅の木が生えていた場所と想像する人が多いが、実は梅田の語源は「埋めた」である。
浜辺や池などを埋め立てて出来た土地を「うめだ」といい、それに梅田という漢字を当てたのだ。
日本には埋立地が多い。
そういう場所に梅田地名が付けられ、梅田地名に住み着いた家が梅田という名字を名乗った。

　全国的には埼玉県春日部市梅田と大阪市北区梅田が有名である。
埼玉県の梅田からは第５６代清和天皇(８５０－８０)の流れをくむ清和源氏の子孫という梅田氏が出た。
初代を梅田常陸(ひたちの)介(すけ)久広という。
大阪市の梅田からは天照大神の流れをくむ学問の神様・菅原道真(８４５－９０３)の一族という梅田氏が出た。
どちらの梅田さんも梅鉢(うめばち)紋をよく使う。
梅田さんで梅鉢紋ならば、源氏か菅原氏の末裔と考えてよい。

　ほかに福井県には橘紋を使う梅田さんも多い。
この系統は第３０代敏達天皇(？－５８５)の流れをくむ橘氏の子孫である。
橘は百果の王といわれ、その芳香から御所の庭に植えられ、宮廷貴族たちに愛された。