名字ランキング 第256位　小笠原

名字博士と愛ちゃんが　小笠原姓について話しています。

「小笠原さんっていうと、小笠原流礼法っていうのを聞いたことがあるわ」

「古くから伝わる礼法のなかで最も有名なのが小笠原流だ。でもね、小笠原流礼法の核になっているものは弓道や流鏑馬(やぶさめ)などの弓馬術なんだ。それに付随して教えられたのが礼法なんだよ」

「武士のたしなみとしての礼法なのね」

「そうだ。その歴史は古く小笠原長清が鎌倉幕府の初代将軍源頼朝に弓馬術礼法を教えたことに始まる。その後も連綿と続き、江戸時代には徳川将軍家にも伝授していた」

「歴代の将軍に教えていたなんて、さすがは小笠原流」

「この小笠原さんは第五六代清和天皇（八五〇―八一）の流れをくむ清和源氏の子孫だ。頼朝に礼法を教えた長清のとき現在の長野県南アルプス市小笠原に住み着いて、小笠原信濃(しなの)守(のかみ)と名乗って初代となった。その後、嫡流は信濃国（長野県）の守護職（国司）を受け継ぎ、江戸時代には小倉藩（福岡県北九州市小倉北区）一五万石の大名となった。

長清の末裔のうち、秋田県や青森県に移住した系統があった。家紋は三階菱と松皮菱を愛用している。この家紋を使っている小笠原さんは長清ゆかりの家と思っていいだろう。ちなみ江戸後期、松前奉行となった小笠原長幸は小倉藩主小笠原氏の一族だよ」