『東』のつく名字ランキングベスト３０

「『東』のつく名字ランキングベスト３０」第１位は「東（あずま）」さん。全国人数はおよそ１５０，０００人。全国で１２５位というメジャーな名字のひとつです。大阪府に最も多く、およそ１９,８００人の東さんがいらっしゃいます。「あずま」という読みは主に東日本に多く、京都が都だった頃、都の人たちが東日本を「東国」と書いて「あずまのくに」と呼んでいました。東日本では日本武尊が関東を吾妻(あずま)と読んだことから「あずま」読みが広まり、西日本では方角の「ひがし」で読みました。「ひがし」は方位に関わる名字で、領主の家など目印になるものの東側に居を構えたことも由来のひとつです。西日本で『あずま』がみられないかというとそういうことではありません。香川県などの四国北部にも『あずま』は多く、奈良県などでは『あずま』が県北部、『ひがし』が県南部に多くみられる地域もあります。全国の豪族の中でも東氏は極めて多く、秀郷流藤原氏など、名族の流れを汲みます。第２位は「伊東（いとう）」さん。全国人数はおよそ１１０，０００人みられます。「伊」は伊勢・伊豆を表し、「東」は方角を表しています。伊豆の伊東一族であったとされる工藤祐経、曾我兄弟も、元は藤原南家の出でした。第３位は「坂東（ばんどう）」さん。全国人数はおよそ２０，７００人みられ、藤原氏の始祖である中臣鎌足が、天智天皇より藤原姓を賜ったことに始まる氏です。「東」のつく名字は、各地に支流がある藤原氏をルーツのひとつとするものが多く存在します。

名字のルーツとなった地域で多く存在している名字として、第１１位の「東郷（とうごう）」さんが挙げられます。鹿児島県に最も人口が多く、およそ１,４００人（約１６．９％）みられます。現鹿児島県の薩摩国高城郡東郷がルーツとされており、軍人の「東郷平八郎（とうごうへい はちろう）」氏、画家の「東郷青児（とうごう せいじ）」氏も鹿児島県の出身です。第１３位の「板東（ばんどう）」さんは現徳島県である阿波国板野郡板東村がルーツとされ、徳島県におよそ３,０００人（約３８．５％）みられます。元プロ野球選手であり、現在タレントとしてもご活躍中の「板東英二（ばんどう えいじ）」さんも徳島県板野郡板東町（現：鳴門市）の出身です。その他の名字に「東」がつく有名人としては、第１位の「東（あずま）」さんには東MAXの愛称で親しまれている「東貴博（あずま　たかひろ）」さん、第４位の「東海林（しょうじ）」さんには近日続編が放送予定のドラマ「ハケンの品格」で大泉洋さんが演じる「東海林武（しょうじ たけし）」主任（今作では支社長補佐）、第５位の「東野（ひがしの）」さんには、代表作「マスカレード・ホテル」等で著名な作家、「東野圭吾（ひがしの けいご）」さんなどがいらっしゃいます。「東」は広く使われている身近な漢字で、「ひがし」「あずま」「とう」など数々の読み方が存在しており、様々な分野で活躍している方が多く見られます。

今回は「東」のつく名字に注目し、ご紹介いたしました。東とは中心から見て東にある土地や建築物のことであり「ひがし」という読み方のほうが古いとされます。また東は太陽が昇る方角であり、生命力のシンボルでもありました。こんな時だからこそ今一度自分のルーツを振り返り、人と人とのつながりを再確認してみてはいかがでしょうか。今回ランクインした名字の詳細については、名字検索No.1サイト「名字由来net（Ｗｅｂ）（https://myoji-yurai.net/rareNameEast.htm）」をご覧ください。

※上記データは月間１,０００万アクセスの「名字由来net」アプリと「名字由来net（Web）」の名字データベースから、政府調査系機関や電話帳データをもとに、実世帯が確認できる「東」の漢字を含む名字を集計いたしました。全国人数の多い順に抽出し、全国人数は四捨五入で算出、当社委員会の厳正な審査を経てランキングを作成いたしました。今回調査で第３６０回目（前回は「令和元年（神社）年間参拝記録数ランキング東西ベスト２０」を発表）。