全国名字めぐりの旅 第171回 神奈川県（4）

神奈川県を代表する名家といえば小泉家だろう。

　判明している初代は小泉由兵衛という。
現在の横浜市で鳶(とび)職をしていた。
その二男又次郎が政界に進出。
神奈川県会議員から衆議院議員に当選し、逓信大臣となった。
若い頃はやんちゃで背中に入れ墨を彫っていたことから「いれずみ大臣」のあだ名で呼ばれた。
その婿養子の又次郎も政治家となり、防衛庁長官を務め、その長男が総理大臣の純一郎である。
さらに純一郎の二男進二郎も衆院議員なので、４代続く議員一家ということになる。
二世、三世議員は結構いるが、さすがに四世続いているのは珍しい。
　
小泉家の家紋は「丸に違い鷹の羽」。
神奈川県でこの家紋を使っている小泉家は第５０代桓武天皇（７３７－８０６）の流れをくむ桓武平氏の子孫とも、第５６代清和天皇（８５０－８１）の流れをくむ清和源氏の子孫ともいわれている。
どちらの系統かはハッキリとしないが、関東・甲信あたりの小泉地名から出た家であることは間違いないだろう。
ちなみに語源は文字通り小さな泉のことである。

　神奈川県の小泉家のなかには小にちなんで「小の字菱」を用いる家もある。