全国名字めぐりの旅 第125回 栃木県（1）

栃木県出身の有名人で最も栃木色を強く出しているのはＵ字工事だろう。
つっこみの福田薫とボケの益子卓郎が栃木弁で栃木ネタの漫才を披露している。
益子は前回紹介した栃木県芳賀郡益子町から発祥した名族。
一方、福田は全国にまんべんなく分布しているが、密集度では栃木県が全国一。
栃木県を代表する名字である。
ルーツもさまざまで、面白い。

　県内で一番広まっているのは第３８代天智天皇の重臣藤原鎌足(６１４－６９)の流れをくむ武家藤原氏・藤原秀郷の子孫という福田氏である。
始祖を福田伊豆(いずの)守(かみ)宗行といい、「三つ柏」紋を好む。

　鹿沼市引田からは幕末に福田誠好斎義典という剣豪が出た。
この福田家は第５６代清和天皇(８５０－８０)の流れをくむ清和源氏の子孫といわれ、初代を福田若狭守(わかさのかみ)頼遠という。
江戸初期の福田八郎右衛門淡水は水戸黄門とも親しかった。
その縁で淡水の子孫である誠好斎は水戸藩（茨城県水戸市）に出入りし、新しい剣法「心明当流心明剣」をあみ出した。
家紋は「笹竜胆(りんどう)」を使う。

　ほかに第５５代文徳天皇の末裔という家もある。