全国名字めぐりの旅 第115回 茨城県（3）

茨城県の女性は一見、勝ち気でしとやかさに欠けるが、実は見かけよりも女らしい人が多い。
男性は保守的で、他人の顔色をうかがうことを嫌う。
そのためか昔から警察官になる人が多く、東京の警視庁では一時期、一割以上の職員が茨城県出身ということもあった。
そして男女ともにプライドが高い。
これは御三家のひとつ水戸徳川家があったからだろう。

御三家は本来、政治には関与できない決まりだったが、幕末の徳川斉(なり)昭(あき)は幕府に尊王攘夷を迫り、積極的に政治活動を行なった。
そのため大老井伊直弼に憎まれて隠居を申し渡される。
これに憤慨した水戸藩士は桜田門外で井伊を暗殺した。
こういう血の気の多いところも茨城県民の特徴である。

　ところで日本で一番、飯島姓が多いのも茨城県である。
発祥は茨城県水戸市飯島町で、ルーツは第５０代桓武天皇(７３７－８０６)の流れをくむ桓武平氏。
ほかに長野県にも飯島さんが多く、こちらは第５６代清和天皇(８５０－８０)の流れをくむ清和源氏の子孫である。
平家の飯島さんは「三つ柏」、源氏の飯島さんは「九曜(くよう)」をよく使うので、家紋を訊けば系統が分かる。