全国名字めぐりの旅 第79回 新潟県（13）

風間さんは人口比でも実数でも新潟県が最も多い。
県内では魚沼市、上越市、長岡市などに密集がみられ、新潟県のほかでは山梨県と長野県に多い。
典型的な甲信越地方の名字である。

　そのルーツの地は長野市風間である。
「かざま」とは古い日本語の大和言葉で「砂が堆積した低い平地」のことをいい、長野市の風間もそのような地である。
ここに住み着いたのが長野県の一宮である諏訪神社の神主一族だった矢島氏。
「諏訪神家系図」に矢島家直の子忠直が風間神庄司と名乗ったと見える。
この子孫は隣の新潟県に移り住み南北朝時代(１３３３－９２)には風間信濃(しなのの)守(かみ)信昭という豪族が出た。
信濃守は南朝の新田義貞に従って勤王に尽力し、その居城は現在の上越市安塚区にあった直峰城だった。
上越市には現在でも信濃守の子孫という風間家が多い。

新潟市にも名家の風間家があり、佐渡市には神主の風間家がある。
現在の参議院議員風間直樹は妙高市の出身。
俳優の風間トオルは本名須藤で風間姓はペンネーム。

　新潟県と長野県の風間氏の多くは「違い鷹の羽」や「剣片喰(かたばみ)」紋などを使っている。