日本の旧国名にまつわる名字ランキングベスト３０

「日本の旧国名にまつわる名字ランキングベスト３０」の第１位にランクインしたのは「上野（うえの）」さん。全国人数はおよそ２０１,０００人。かつて下毛野国（しもつけのくに）と合わせて毛野国（けのくに）と呼ばれ、この上毛野国が上野に略記されたことが由来のひとつです。上野三碑（こうずけさんぴ）がユネスコ「世界の記憶」に登録されたことで注目をあびています。第２位は「甲斐（かい）」さん。全国人数はおよそ６６，６００人、全国の「甲斐」さんのうち３４％（およそ２２，４００人）が宮崎県にみられます。由来は山の峡で山あい、開で開拓などの諸説があります。第３位は「日高（ひだか）」さん、全国人数およそ５６，７００人、全国の「日高」さんのうち２５％（およそ１４，４００人）が宮崎県にみられます。由来は日が高々と昇る大地の佳称ともいわれています。

第６位「和泉（いずみ）」さんは、全国人数およそ２９，６００人。由来は湧水地のことであり、和泉は国・郡・郷の名称をよい漢字で表記せよという、二字佳名の命により泉を変更した名字です。第１４位「若狭（わかさ）」さんは全国人数およそ９，５００人。古代の若狭国は大化改新で成立し、丹波・越前の二国に挟まれた若い国のこと、若い桜から若桜（わかさ）になり若狭に転じた説や、若い夫婦が住み、いつまでも若さを保って神になったなど、多説あります。第３０位「出雲（いずも）」さんは全国人数およそ３，９００人。由来は出雲国から伝播したものが多く、出雲国名は「雲が立ちのぼるめでたい」の意味で、『古事記』の須佐之男命（すさのおのみこと）の言葉が地名のもとになったと言われています。

ランクインした名字と同じ有名人には、第１位に、ドラマ『のだめカンタービレ』主演の女優「上野 樹里（うえの じゅり）」さん、第２位に、福岡ソフトバンクホークス捕手で２０１７年にゴールデングラブ賞を受賞した「甲斐 拓也（かい たくや）」選手、ロックシンガーの「甲斐（かい） よしひろ」さんなど。「甲斐」さんは宮崎県に多くみられますが、お二人とも九州のご出身です。第３位に、アニメ『タッチ』の声優「日高 のり子（ひだか のりこ）」さん、第８位女優「加賀（かが） まりこ」さん、第１７位２０１６年ノーベル医学・生理学賞受賞の「大隅 良典（おおすみ よしのり）」さん、第１８位お笑いダチョウ倶楽部リーダーの「肥後 克広（ひご かつひろ）」さん、第１９位『釣りバカ日誌』で有名な漫画家「北見（きたみ） けんいち」さん、第２５位昭和を代表する女優の「淡路 恵子（あわじ けいこ）」さんなどがいらっしゃいます。

宮崎県の旧国名「日向（ひゅうが）」さんは県内に３０人となぜか少なく、2位の「甲斐」さんや３位「日高」さんが宮崎県に多い、というのは、一見不思議ではあります。しかし、明治期などでは、出身地を名字にしたケースは全国で見られたため頷ける結果ともいえます。八割以上が地名を由来とした地名発祥が多い日本の名字。出身を表す旧国名由来の名字の方は人数的にも多く、意外と身近にいらっしゃることがわかる結果となりました。ランキングの名字の詳細については、名字検索No.1サイト「名字由来net（Ｗｅｂ）（https://myoji-yurai.net/rareNameOldCountry2018.htm）」をご覧ください。

※上記データは月間７００万アクセスの「名字由来net」アプリと「名字由来net（Web）」の名字データベースから政府調査系機関や電話帳データをもとに当会の厳選なる審査により、実世帯が確認できる「旧国名の名称にまつわる名字」のみを集計しました。全国人数の多い順に四捨五入でランキング。今回調査で第２４９回目（前回は「２０１８年全国名字ランキングトップ５０００」を発表）。