全国名字めぐりの旅 第126回 栃木県（2）

栃木県出身の有名人は前回紹介したＵ字工事のほかにもたくさんいるが、大島優子（元ＡＫＢ）、大島美幸（森三中）、大島弓子（漫画家）、大島里美（脚本家）など、大島姓が目に付く。
大島姓が日本で一番多いのは愛知県だが、県民人口に対する大島姓の割合では栃木県が全国一。
県内の名字を多い順番に並べたランキングでも堂々の第１７位である。

　栃木県に住む大島家の多くは群馬県太田市大島町から発祥した系統で、第５６代清和天皇(８５０－８０)の流れをくむ清和源氏の子孫と称している。
この大島氏の嫡流は豊臣秀吉に仕え、関が原合戦では徳川家康に従った世渡り上手。
戦後に１万８８００石の大名に取り立てられたが、その後に断絶した。

　ただし源頼朝の奥州征伐のとき、馳せ参じて従軍した伊豆大島出身の大島外記という武士の末裔という伝承を持っている家もあれば、南朝の忠臣として活躍した新田義貞の一族という家もある。
すべて共通しているのは清和源氏という点だが、どうもいろいろな系統に分かれているらしい。

　家紋は「松皮菱」と「丸に二つ引き」が目立つ。
どちらも清和源氏の愛用紋である。